さて、今日は珍しく時事ネタです。
「馬渕教室」と「類塾」の合格者数の水増し問題は、
きっと先生も、すでにニュースをご覧になったでしょう。
以前から、たびたび対立していた両塾。
毎年のように合格者数を競い合っていますが、
今回の問題は、3月頃からすでにネット上で話題になっていました。
この問題の争点は、
難関私立校である「K高校」の合格者数が、
両塾の発表した合格者の数を足してもあわないこと。
「どちらかの塾が、合格者数を水増ししたのではないか?」
と、疑惑をかけられているのです。
K高校は、大阪市長である橋下徹氏の母校であることからも、
メディアとしては、取り上げやすいネタだったのでしょう。
このニュースに対し、ネット上では、
「両方に通塾している生徒もいるでしょ?」
「その数で、あわないだけじゃないの?」
こういう声も多く聞かれます。
事実、科目選択制度もありますし、可能性としてはあるかもしれません。
しかし、私がこの記事を読んで興味をもったのは、
「どちらの塾が正しいか」ということではないのです。
先生にも、心当たりがありませんか?
ある休日の朝。
コーヒーを片手に新聞を広げたところ。
折り込まれたチラシに目をやると、そこには、近くのライバル塾のチラシ。
そこに書かれている内容を読み、先生は、怒りに近い感情を覚えます。
「●●高校の合格実績なら、当塾が一番です!」
「●●高校受験なら、当塾にお任せください!」
臆面もなく並べられた、ライバル塾の自画自賛の言葉。
当然、書かれた内容をそのまま信用する保護者は少数です。
「こんな文章ばかり垂れ流されたのでは、読まされる方はたまったものではない…」
先生は、チラシをクシャクシャに丸め、ゴミ箱へ投げ捨てます。
そのとき、先生の頭をふとよぎったことは…
なぜ、合格実績ばかりを大きく書き立てるのか?
先生も、こう思ったことがあるでしょう。
大手塾から、小さな個人塾まで。
なぜ、こんなにも合格実績ばかりを大きく書き立てるのか?
結論から申し上げると、その理由は、
「ターゲットである保護者が、合格実績でしか塾を選べないこと」。
それが最大の原因です。
要するに、塾側が合格実績で選ぶことを許した結果。
先生のライバル塾も、なりふり構わず合格者数を強調するようなったのです。
すべては、「合格実績が少ないと、生徒募集が難しくなるから」。
つまり、常に「1番」の合格者数を出し続けなければ選んでもらえない…。
2番では、まったく意味がないのです。
これは、効果的な集客をおこなう上で、ある意味事実でもあります。
※ 1番にならないといけない理由は、こちらの記事をご参照ください。
> クチコミで集客できる塾になる「13の方法」
では、合格実績がすべてなのか?
一部の進学塾では、合格実績を増やすため、さまざまな手を使っています。
優秀な生徒に対し、月謝を大幅割引(または全額免除)する、
「特待制度」もその一つでしょう。
また、能力の高い生徒に対しては、
難関校を受験するように、塾が誘導することもあるといいます。
なぜ、このようなことがおこなわれるのか?
それは、難関私立校の受験指導をおこなう進学塾は、
「合格実績の数」が塾経営の生命線になっているから。
1番を取り続けることで、塾が「ブランド化」され、
毎年、安定した数の生徒が集まるようになるのです。
でも、考えてみてください。
合格実績の数をアピールしようと思うなら、当然、
教室数の多いFC塾ほど、難関校の合格実績は多くなりますよね。
これは、教室数が多いのだから当然のことではないでしょうか。
こんなものに、どれだけ信ぴょう性があるのか?
先生も、そう思いませんか?
現在、合格者数の水増しがまかり通っていますが、
こんなものに、どれだけの信ぴょう性があるのでしょうか?
優秀な生徒、すなわち、難関校にも合格できる生徒を集めている塾なら、
難関校の合格者数が多くて当たり前ですよね。
カンタンに合格者数を増やせて当然です。
事実、優秀な生徒を選ぶために、入塾試験をしているところも多くあります。
では、そこに先生の指導力は、どれだけ影響しているでしょうか?
私は、難関校への合格者数と先生の指導力は、まったく関係ないと考えています。
合格実績を出さないことも、またブランドになる
先生は、こう考えたことがありますか?
これは、そもそも「保護者が塾に通わせる目的」を考えるとわかります。
保護者が、子どもを通塾させる主な理由は、
・クラスの授業についていけるようにするため
・学校で1番を目指すため
・受験に向けて偏差値を上げるため
・学習の習慣を身につけるため
・まわりの子どもたちが通っているから
・学校の授業だけでは足りないから
などなど。
なにも、難関校へ合格させるだけではないのです。
ならば、そのニーズに特化させた塾になれば、
合格実績1番と同じ、もしくはそれ以上の価値を提供できますよね。
事実、成績の悪い生徒を専門にした塾が、
大勢の生徒の集客に成功した事例などは、いくつもあります。
先生の塾が選ばれる理由は、何ですか?
もし、この質問にすぐ答えられたなら?
先生の塾が集客に困ることは、絶対にありません。
先生のターゲットの9割は、
「塾の数が多すぎる…」
「何を基準に塾を選べばいいのかわからない」
と、悩んでいるのです。
大事なことなのでくり返しますが、
ターゲットであるお父さん、お母さんたちは、
「塾の数が多過ぎて、子どもにベストな塾が選べない」のです。
難関校への合格実績は、選ぶ理由の一つでしかありません。
ぜひ、先生の塾も「保護者に選ばれる理由」を探しだしてください。
それが、生徒募集の悩みを解決する一番の近道になるのです。
それでは、またお会いしましょう。