価格競争に巻き込まれずに、たくさんの生徒を集める方法

想像してみてください。

2校の塾のチラシを見比べ、
「どちらの塾がいいかしら」と、検討しているお母さんがいます。

一方は、有名な大手塾。
もう一方は、小さな個人塾です。

どちらの塾も、チラシに書かれている内容は魅力的。

合格者数の実績も高く、子どもの成績アップが期待できそうです。

また、どちらも月謝は同じ料金に設定されています。


2枚のチラシを真剣な顔で見つめるお母さん。

しかし、一方のチラシに書かれていた「ある文章」を読んで、
お母さんは、どちらの塾に子どもを通わせるかを決定しました。

それは、

「今なら、初月度の月謝が無料!」

という、大手塾のチラシにかかれていた文章でした。



なかなか塾を決められずにいたお母さん。

しかし、大手塾の「初月度の月謝が無料」であることが決め手となり、
子どもを通わせる塾を決めました。

「悩んだ結果、お得な方を選ぶ」ことは、実際、多くの方に見られる傾向です。

このように、チラシを見ても行動を起こせずにいるお客さまに対し、「初月無料」などの提案で、今すぐの決断をせまる強力な要素を、広告業界では「オファー」といいます。


Q.「オファー」とは?


オファーとは、先生の塾とお客さまとの「取引条件」のこと。

先生も、テレビショッピングなどで、

「今すぐ、お申し込みいただければ、15万円のパソコンにプリンタ、デジカメ、
スキャナを無料でプレゼント!さらに、分割金利手数料は、弊社が負担します!」


という売り文句を聞いたことがありませんか?

このような、

「あなたが、◯◯◯してくれたら、私は、△△△をします」

という、お客さまとの約束を「オファー」といいます。

先ほどの大手塾のチラシなら、

「あなたが入塾してくれるなら、私は、初月度の月謝を無料にします」

というのが、オファーです。



Q. オファーって、重要なの?


オファーの優劣で、広告の反響は大きく変わります。

なぜなら、優れたオファーは、買わない、行動しないお客さまに対し、
今すぐにアクションを起こさせる、強い力をもっているから。


実際、オファーを変えるだけで、
広告の反響が2倍、3倍になるケースは珍しくありません。


オファーには、「無料」のほかにも、

・割引(今だけ、30%オフ!)
・支払方法(銀行振込、代引き、クレジットカードから選べます)
・限定数(100名様限り、早い者勝ちです!)
・期限(今月末までの、特別なご案内です)
・保証(60日間の返金保証)
・サポート(60日間無料で電話サポート)
・サンプル(無料でサンプルを送ります)
・特典(今だけ、◯◯をプレゼント)


など、例をあげればキリがないほど、たくさんの種類があります。

これらのオファーを上手く使うことで、
チラシやホームページの反響を簡単にアップさせることができるのです。


Q. 学習塾では、どんなオファーが使われているの?


塾のチラシやホームページを見てみると、

・授業の無料体験
・入学金無料
・初月度月謝無料
・授業料の割引
・講習無料
・補習無料
・教材無料


など、主に「値引き」のオファーが、よく使われています。

実際、「無料」というオファーは、上手く使うことで、
広告の反響をドカンとアップできる、とても威力のあるオファーです。


とはいえ、値引きは、利益に大きな影響をあたえます。

大手塾であれば、採算を無視した価格競争にも耐えられるかもしれませんが、
小中規模の学習塾は、そうはいきませんよね。

値引きをした結果、自分の首を絞めるということにもなりかねません。


でも、小中規模の学習塾でも、
また、予算がなくてもできる、効果的なオファーがあります。

それが、「お客さまの不安要素を取り除いてあげるオファー」です。

もし、先生が、このオファー作ることができれば、
価格競争に参加しなくても、たくさんの生徒を集められるようになります。

たとえば、今からご紹介するのは、
他業界におけるオファーの成功事例ですが、塾業界に、どう応用できるでしょうか?



Q. 値引きをせずに、大成功を収めたオファーとは?


先生は、「ASKUL(アスクル)」という会社をご存じですか?

主に、オフィス向けに事務用品の通販をおこなっている会社です。

文房具、机、椅子、トイレットペーパーなど、色々なものを取り扱っています。

しかし、必ずしも最安値で売っているわけではありません。

ですが、多くの企業がアスクルで購入し、
今では、アスクルは年商2,000億円以上の大企業に成長しました。

なぜ、最安値ではないアスクルが、これほど多くの企業に利用されているのか?

その理由は、アスクルの提供する、
「必要な文房具を明日お届けします」という、オファーにあります。


先生も、通販で買物をするとき、
「注文した商品は、何日で届くのだろう?」と、思ったことはありませんか?

3日~4日かかるお店もあれば、1週間かかるお店もあります。

もし、明後日には絶対必要なものを買うとしたら、
いつ届くかわからないお店で買うのは、ある意味ギャンブルです。

しかし、アスクルは、「明日、お届けします」と約束することで、
「商品がいつ届くのかわからない」というお客さまの不安を取り除きました。


その結果、たくさんのお客さまを獲得することに成功したのです。

つまり、アスクルが売っているのは、文房具や椅子などの事務用品ではなく、
「明日、届く」という安心感や、便利さを売っているのです。




Q. 入塾を決めるときの不安要素は?


先生の塾のチラシを受け取ったお母さんは、
塾に通わせることに、どんな不安を感じているでしょうか?

パッと思いつくものだけでも、

・うちの子でも、成績アップできるかな
・次の大事なテストまでに間に合うかな
・授業のスピードについていけるかな
・講師の先生とあわないかもしれないな
・月謝のほかにも、何かお金がかかるのかな


などが考えられますよね。

先生の塾では、これらの不安、リスクを、
どのような形で取り除いてあげることができるでしょうか?

それが、値引きに頼らない、
優れたオファーを作る大きなヒントになるのです。


Q. 成功するオファーを作るポイントは?


先生がオファーを考えるとき、注意すべきポイントは「3つ」。


1つ目は、お客さまが、すぐに理解できる内容であること。

たとえどれだけ優れたオファーであっても、広告を読んだ人が「よくわからない」と感じたのであれば、決してオファーに反応することはありません。

できるだけ、すぐに理解できるわかりやすいオファーにすることが大切です。


2つ目は、お客さまに、十分な価値が伝わること。

価値のないオファーや、価値が理解できないオファーであれば、
当然、お客さまは反応してくれません。

たとえば、塾のチラシでよく見る「月謝無料」というオファーも、
それだけは、一読してどれだけの価値があるものなのかが伝わりません。

反応を高めたいのなら、「月謝無料」ではなく、
「通常15,000円の月謝が無料」のように、すぐに価値が伝わるものにすることが大切です。



3つ目は、お客さまに、今すぐ行動を起こさせる理由があること。

オファーの目的は、問い合わせや入塾など、
お客さまにアクションを起こしてもらうことです。

ですので、お客さまが、今すぐ行動を起こす理由がなくてはなりません。

「今月中のお申し込みに限り…」
「今回の生徒募集は、10名限定です」

など、お客さまがすぐに行動を起こせるようなオファーを提供することが大切です。


では、今回のポイントをまとめましょう。



A. 価格競争に巻き込まれずに、たくさんの生徒を集める方法

・価格競争を避けるには、優れたオファーが必要
・お客さまの不安要素を取り除ければ、値引きしなくても大丈夫
・優れたオファーを作るポイントは、3つ
 ①すぐに理解でき、②十分な価値があり、③すぐに行動を起こしたくなるもの

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