なぜ、ネット時代にチラシ集客なのか?

改めて言うことでもないですが、今はネットの時代です。

子どもから大人まで、みんなネットを使っています。ニュースの閲覧にショッピング、SNSなど、もはやネットを使ってない人を探す方が難しいんじゃないかというレベルにまで浸透しています。

学習塾で言えば、教室の紹介、お知らせなどの情報発信はもちろん、お問い合わせ、体験授業の申し込みなども全部ネットでできちゃいます。

なので「ぶっちゃけ、ネット集客すればチラシなんていらないでしょ?」と考えている人も多いと思います。もしかすると、先生も同じように考えているかもしれません。

でも、実際はどうなんでしょう?

今回は、学習塾のネット集客というザックリした視点よりもう一歩踏み込んだ「小さな個人塾のネット集客」について考えてみます。

チラシ集客をやってる奴はバカ


「今の主流はネット、チラシ集客なんて時代遅れ」
「もう新聞を読んでる家庭は少ないし、折込なんてお金のムダ」
「ポスティングも禁止のマンションが増えて効果ナシ」
「ホームページは24時間働き続ける営業マン、チラシは捨てられて終わり」


先生も、こんな話を聞いたことはありませんか?真剣に集客を勉強している人なら、きっと一度は聞いたことがあるフレーズだと思います。

要は「ネット時代にアナログなチラシ集客やってるなんてバカじゃないの?」ってことです。

たしかに新聞購読世帯が減っていることも、ポスティング禁止のマンションが増えていることも事実です。そのおかげで、チラシの反響が得にくくなっていることも間違いありません。その一方で、ネットは使ってない人を探す方が大変です。それに、今はスマホでホームページも動画も見られますので、パソコンを持ってない人すらターゲットに集客できます。

もし私がホームページ制作会社や動画制作会社をしていたら、きっと同じような営業トークを使ってお客さんを捕まえてるでしょうね。ネット集客に必要なツールを売りまくってガンガン稼ぎたいですから。

でも、私が取り扱う商品は「集客」です。なので、ぶっちゃけチラシのようなアナログな手法でも、ネットのようなデジタルな手法でも、結果が出せれば何でも良いと考えています。

事実、このサイトではチラシ集客もネット集客も、またクチコミ集客のノウハウも取り扱っていますし、私のもとにはチラシ集客だけでなくネット集客の相談、依頼もたくさんきます。

しかし、公開している記事の9割はチラシ集客で、ネット集客に関する記事はこの記事を入れて2件のみ。チラシ集客に重きを置いているのは、ひと目見ればすぐにわかると思います。

なんでチラシ集客のノウハウばっかりなの?


「俺はネット集客のノウハウが知りたいんだよ!」
「チラシなんて時代遅れのノウハウは要らないからネットのことを教えろ!」


きっと、こう思う先生もいるでしょう。でも私がチラシ集客のノウハウを重点的にお伝えしているのには、ちゃんと理由があります。

それは、ネットで集客できるのは「今すぐ客」だけだから。そして、この今すぐ客は「小さな個人塾には来ないから」です。

いったい、どういうことか?

前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。小さな個人塾がネット集客ばかりに力を入れても上手くいかない「2つの理由」をくわしく見ていきましょう。

理由1. たどり着けないから


まず「貴塾のホームページにアクセスする人がどうやってたどり着くのか」を考えてみてください。色んな方法がありますが、ターゲットとなる保護者が一番使うのは「検索キーワードからたどり着く」方法でしょう。

では、どんなキーワードを入れるでしょうか?

ダイレクトに塾名で検索してくれるなんて思わないでください。貴塾がよほど地域で有名で評判が良く、子どもを塾に通わせてない親でも知ってるレベルでないとありえませんので。そもそも、そんなレベルの塾なら生徒集めに苦労してないと思いますが。

「○○駅、学習塾、中3」
「○○市、個別指導塾」
「○○市、塾、人気」


多いのはこんなところでしょう。では、これでどんなサイトがヒットするでしょうか?ためしに「神戸市中央区、塾、人気」と入れた場合の結果を見ながら進めましょう。

「神戸市中央区、塾、人気」の検索結果です


最上位を占めるのは、全て広告です(赤枠で囲っている部分)。グーグルにお金を払って上位に表示してもらうヤツですね。お金持ちの特権です。どのエリアでも人気ランキングや大手塾が出てくることがほとんどでしょう。

では、その下には何が出てくるでしょうか?

広告より下の検索結果です


ひたすらクチコミ、ランキングサイトが続きます。ここまでくると、もはや「ランキング汚染」と言っても良いレベルです。迷惑すぎます。

そして、イライラしながらランキング汚染ゾーンを抜けると…

下にも広告が待ち構えています


また広告が待ち構えています。こんな感じで、日本全国ほとんどのエリアの検索結果1ページ目は「ランキング汚染が広告にサンドイッチ」にされている状態です。

もしかすると「検索キーワードに「人気」を入れたから、こんなランキングばっかりなんじゃないの?」と思うかもしれませんが、「神戸市中央区、塾、中3」でも「神戸市中央区、個別指導塾」と入れた場合でもほとんど変わりません。面倒くさいので画像は貼りませんが、気になる人は試してみてください。

そして、2ページ目、3ページ目以降にようやく小さな個人塾のホームページがチラホラと出てくるのですが…

誰が見るの?


情報を探している人は、検索結果を上から順に見ていきます。

つまり、名の通った大手塾の情報ばかりを見て、大手塾と大手塾を比較して、大手塾の体験授業に行くわけです。ほとんどの個人塾は、比較検討されるステージにすら立てません。

では、どの段階で個人塾が検討されるのか?

それは、大手塾に満足しなかった人の「次の選択肢」として。「大手塾のやり方はウチの子に合わなかった。小さな塾でも子どもに合うところを探そう」というごく少数の人がもっとしっかりと塾を調べるときに、2ページ目、3ページ目以降にある小さな個人塾のホームページにたどり着くわけです。

結局、大手塾以上の広告予算とマーケティングノウハウがない限り、ネット集客で「今すぐ客」を獲得することは不可能。言い方は悪いですが「おこぼれ」を拾っていくしかないんです。

これが、小さな個人塾がネット集客だけに注力しても上手くいかない理由の1つめです。続けて、もう1つの理由ですが…

理由2. ターゲットが「悩みの深い人」だけだから


先ほどお話したように、ネットで学習塾を探す人は「○○市、塾、人気」などのキーワードを入れて検索します。

では、この人はどんな心境にある人でしょうか?

考えるまでもなく「子どもの成績が悪いので、今すぐ塾に入れて成績をアップさせたい」と思って塾を検索していますよね。つまり、今すぐ子どもの成績を上げたいという「目の前に差し迫った問題」を抱えているわけです。

が、このことにちゃんと気が付いていますか?ネットで集客できるのは、この「今すぐ塾に通わせて成績を上げたい人だけ」なんです。

「ウチの子には、まだ塾は必要ないわよね」
「ちょっと成績落ちてきたけど、自分でがんばってるみたいだし大丈夫よね」


なんて考えている「これから客」はネットで集客できるターゲットに含まれていません。子どもを塾に通わせる気もない人が塾を検索するはずないので、当然と言えば当然です。

自分から検索して体験授業に申し込んでくる悩みの深い「今すぐ客」は、先ほどもお話したとおりネット集客にお金をかけている大手塾にまるっと全部奪われてしまうんですから…

悩みの浅い「これから客」を大手塾より先に取る


小さな個人塾は、これを考えていくのが重要だと考えています。そして、この「これから客」を獲得できるツールがチラシなんです。

考えてみてください。ネットはターゲットが自分から検索して、塾のホームページにたどり着きます。向こうから会いに来てくれるんです。しかし、チラシは塾の方からターゲットに接触する媒体です。こちらから迎えに行くんです。

当然、大手塾より先に接触することができますし、比較検討のステージに乗ることもできますよね。チラシに載せたQRコードからホームページに誘導すれば、ランキング汚染に邪魔されることもありません。また、何となく今の塾が子どもに合わないと感じ、転塾を考えている人にもアプローチできますので、おこぼれを拾っていたものが「横取り」に変わるわけです。

だからこそ、小さな個人塾こそネット集客だけに頼らず、チラシ集客にも注力すべきなのですが…

でも、大手塾もガンガンチラシ入れてるよね?


個人塾が1回に配布するチラシはせいぜい5,000枚~2万枚。一方で大手塾のほとんどは5万~10万枚は配布します。広告予算に圧倒的な差がありますからね。こればっかりは仕方がありません。

「それなら結局、チラシでも大手塾に勝てないじゃん!」と思うかもしれません。

でも大丈夫。ぶっちゃけ、話にならないレベルだから。

と、言うと誤解を与えかねませんので丁寧に言うと、大手塾のチラシは良い印象を与えるキレイなイメージチラシ。かわいいモデルの写真を大きく載せたよく見るヤツですね。当然、小さな個人塾が同じようなチラシを作っても勝てません。

個人塾が作るべきは、1件でも多くの反響を得るための「レスポンスチラシ」。このサイトで詳しく作り方を公開しているチラシです。私が学習塾のチラシを作るようになって6年ほどになりますが、未だに大手塾で優れたレスポンスチラシを作っているところを見たことがありません。

まとめると、ネット集客で大手塾に勝つには、大手以上の広告予算とマーケティングノウハウがない限り不可能。しかし、レスポンスチラシを使った集客であれば小さな個人塾でも大手塾を出し抜いてたくさんの生徒を集めることが可能、と私は考えています。

ただし、ホームページは必要です。チラシ内で貴塾の魅力や情報をすべて伝えられるわけではありません。その部分を補完する意味合いでも、ホームページは必ず持っておくこと。チラシを見て貴塾に興味を持った人は、ホームページを見てもっと詳細の情報を得ようとするということを忘れてはいけません。

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